求める面に 物見合わせ以上に 大切な事がありますか?

4.物見合わせの何がそんなに難しいの?

物見をあわせることは防具屋さんにとって一番気を使うところです。頭の形はひとりひとり違うから、規格品では合わないことも多いです。頭が大きい、小さいだけじゃなく、こめかみが広い人、アゴが小さい人、出てる人。頭の形は全員違います。

面もサイズが1cmごとにありますが、靴のサイズ合わせに似たようなところがあります。でも面はさらにサイズの上に目線まで合わせるとなると靴よりも面のサイズ合わせは難しいですね。

私は過去、1,200台以上の手刺し防具をサイズ合わせしてきましたが、物見が合わない一番の理由は「物見の高さ」よりもその前に「面サイズが間違ってること」です。

みなさん、物見の高さばかり気にするのですが、そもそもの面サイズが間違ってるから、面がぴったり止まらない。小さすぎて頭が奥まで入らなかったり、今度は大きすぎていくら紐で縛っても前に落ちてきたりします。

どちらのお店でどんな面を購入するにせよ、まずは正しい面サイズを見つけること、さらのその上で物見の高さを合わせていくこと。この2つが重要です。

当店独自の計測で頭の形を実物大で印刷し、面組みをすることで100%の物見合わせを保証しています。かなりのコストと手間がかかっています。当店が販売するのが高価な手刺し防具ということもありますが、たとえ安価なミシン刺でもまずは面の物見合わせが一番大切だと考えています。

この物見合わせのところは業界でもかなりグレーなところで誰も口にしたがらない。物見合わせまでやってたら手間がかかりすぎて、沢山の防具を販売できないからなんです。だから大型店、ミシン刺防具などは特に既製品をそのまま納品し、合わなければ後から調整といった事をします(調整してくれるだけまだ良いほうですが)。ただ、本音を言うと、この「後から調整」がまず合わないんです。。その場しのぎの対処療法で「ちょっと調整しましたんでこれで様子をみてください〜」なんて言われるんだけど、なかなかしっくり来ず、結局、言いづらくなって泣き寝入り状態になる。

なんで分かるかというと、他店さんで買った面の物見が合わないからと私のところに良く相談に来られるからです。「一張羅なので費用がかかってもいいので何とか物見を合わせてほしい」そう言って新幹線や飛行機にのってご来店されます。その場合は3Dスキャンでスキャンして、面組み直しにて合わせます。ただ、あまりに見当違いなサイズの面や長年の使用経過で布団に癖が付きすぎている面は調整しても合いません。

そのくらい物見をあわせることは難しいのです。

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